小規模M&Aで売手オーナーが損をする条件とは?手数料・買手探し・売却時期の注意点

株式会社社長の専門学校
『会社売却2.0/
М&Aセルサイドアドバイザー協会』
代表 田中英司(たなかえいじ)

  • M&Aのプロアドバイザーかつ現役経営者。
  • ゼロから創業した会社を上場させ、買手・売手の両方を社長として経験。
  • 上場企業を引き継いだ後、複数社の会社を経営。
  • M&Aアドバイザーとしても、年商数千万~数十億のM&Aを成功に導く。

●「会社を数千万円から1億円ほどで売り、また新しい事業を作る。」創業が得意な経営者にとって、魅力的な選択肢に見えるかもしれません。
ただ、売却額がそのまま手元に残るわけではありません。小規模な案件ほどアドバイザーへの手数料が譲渡額に対して重くなり、買手候補を探すことにも苦労する場合があります。売ったあとに別の事業をゼロから立ち上げる負担も考える必要があります。
すでに売れる事業を作れたのなら、私は、すぐに手放す前にもう少し育てられないか考えてほしいと思います。ただし、引退時期が近いなど個別の事情があれば、いま売る判断もあります。

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小規模M&Aで売手オーナーが
損をする条件とは?

手数料・買手探し・
売却時期の注意点

会社売却2.0では、小規模な会社を売ること自体が損だとは考えていません。譲渡価格から差し引かれる費用と、売却後に次の事業を作るまでの時間を考えてみましょう。

特に確認したいのは、次の三点です。

1.事業をゼロから作る苦労をもう一度負う

新しい事業では、顧客を見つけ、商品やサービスを磨き、売上が立つ仕組みを一から作る必要があります。この「0から1」をもう一度実現するのは、簡単なことではありません。

もちろん、新規事業の立ち上げが得意で、次の挑戦に進みたい経営者もいます。ただ、いまの会社にまだ伸びしろがあるなら、新しい事業を一から始めるより、すでに育てた事業を「1から3」へさらに伸ばす選択肢もあります。

「次の事業の資金を得るために売却する」という考え方もありますが、新事業が軌道に乗るまでの投資や生活資金も必要です。売却後に実際にいくら残るのかを確認し、いまの事業をさらに成長させてから売却する場合とも比較することが大切です。

2.最低手数料が譲渡額に対して大きくなる

M&A支援会社の中には、取引規模にかかわらず最低成功報酬を設定している会社があります。会社売却2.0では900万円ですが、さらに高い最低手数料を設定している会社もあります。

最低手数料は、譲渡額が小さいほど負担割合が大きくなります。たとえば成功報酬が900万円の場合、1億円で売却すれば9%ですが、5,000万円なら18%になります。

さらに、契約によっては着手金や資料作成費、月額報酬などが必要になる場合もあります。そのため、提示された譲渡価格だけでなく、手数料や税金などを差し引いて「最終的にいくら手元に残るのか」を確認することが重要です。

中小企業庁の「中小M&Aガイドライン(第3版)」でも、手数料の算定基準や最低手数料、支援内容などを契約前に確認することが示されています。なお、手数料体系は各社で異なるため、900万円が業界の相場という意味ではありません。

提示された譲渡価格だけで判断せず、最終的にいくら手元に残るかを確かめましょう。

3.買手候補を探して条件を比べにくい

小規模な会社ほど買手が見つけやすいと思われがちですが、実際には、会社の規模や業種によって買手候補が限られることもあります。

候補が少なければ、譲渡価格だけでなく、従業員の処遇や売却後の引継ぎなどの条件も比較できません。そのため会社売却2.0では、売却を進める前に、どのような買手が関心を持つ可能性があるのか、複数の候補を探せるのかを確認します。

また、一社だけの提示額を見て「この価格が相場」と判断するのは注意が必要です。同じ会社でも、買手との相性や買収によって得られる効果によって評価は変わります。

できるだけ複数の買手候補を探し、会社の強みを正しく伝えたうえで、価格や条件を比較できる環境をつくることが大切です。

会社の利益や規模が大きくなれば、譲渡価格が必ず同じ割合で上がるわけではありません。ただし、会社が成長することで買手候補が増え、より良い条件で売却できる可能性があります。

会社売却2.0では、利益だけでなく会社の規模や希少性、買手候補の数も踏まえて売却条件を考えます。

買手の選択肢が増えると競争が生まれる

一定の利益規模や事業基盤を持つ会社になると、買収を検討できる企業や投資ファンドが増える場合があります。複数の買手が関心を持てば、譲渡価格だけでなく、売却後の条件も比較しやすくなります。

たとえば、EBITDA(営業利益に減価償却費を加えた利益指標)が1億円の会社と3億円の会社を比べると、後者の利益は3倍です。しかし、譲渡価格が単純に3倍になるとは限りません。規模が大きくなることで会社の希少性が高まり、買手候補が広がれば、それ以上の評価につながる可能性もあります。

一方で、成長の持続性や顧客構成、経営者への依存度、借入金などによって評価は変わります。

成長の根拠を示せる会社ほど評価してもらいやすい

数年後の売却を考えるなら、単に売上や利益を増やすだけでなく、「なぜ今後も成長できるのか」を買手に説明できる状態にしておくことが重要です。

たとえば、顧客の継続率、利益率、受注の見通し、経営者がいなくても事業が回る体制などは、将来性を判断する材料になります。

「今後伸びるはず」という期待だけではなく、これまでの実績と成長を続けられる根拠を数字で示すことで、買手も会社の将来価値を評価しやすくなります。

会社売却2.0

事業を育てるには、時間や資金だけでなく、経営者の体力も必要です。また、市場環境の変化や主要な取引先・人材の離脱によって、待っている間に会社の価値が下がる可能性もあります。

たとえば、引退の予定が決まっている、後継者がいない、事業の先行きに不安がある場合は、成長を待つこと自体が負担になります。現在の買手候補に適切な条件を提示してもらい、経営者が望む時期に引き継ぐことにも価値があります。

一方、まだ成長の余地があり、経営を続ける意思があるなら、もう少し会社を育ててから売却する方法もあります。

「今売るか、育ててから売るか」は、譲渡価格だけでなく、経営者自身の将来も含めて判断することが重要です。

会社売却2.0では、売却時期を考える際に「いま売る場合」と「育ててから売る場合」を同じ物差しで比較することを大切にしています。まず、現在の業績をもとに、どのような買手がいて、どの程度の条件が見込めるかを確かめます。そのうえで、手数料や税金、借入金の扱いを確認し、売主の手取りを見積もります。

次に、事業を伸ばすために必要な期間、投資額、経営者の負担を考えます。売上や利益が増える見込みだけでなく、計画どおりに進まなかった場合も想定しておくと、売却時期を選びやすくなります。

比較するときは、「利益が何倍になるか」だけでなく、その期間に新たな採用や設備投資が必要か、オーナー自身が何年経営を続けたいかも整理します。半年や一年で改善できることと、数年かけても不確実なことは分けて考えると、売却を待つ意味がはっきりします。

買手候補の数や提示条件は、実際に検討を進めてみないと分からない部分もあります。会社の価値を知りたい段階でも、売却を前提に急いで契約するのではなく、成長余地と現在の売却条件を一緒に相談するとよいでしょう。

まとめ

小規模M&Aでは、最低手数料が譲渡額に対して重くなり、買手候補が限られることがあります。さらに、売却後に新しい事業をゼロから作る負担もあります。

一方、事業を育てて規模が大きくなれば、買手候補が増え、よりよい条件を比較できる可能性があります。ただし、成長には時間とリスクが伴います。引退時期や経営者の事情によっては、今売るほうがよい場合もあります。

大切なのは、「今売った場合にいくら手元に残るのか」と「会社を育ててから売る場合に、どこまで価値を高められるのか」を比較することです。

会社売却2.0では、現在の売却条件と、事業を育ててから売る選択肢の両方を踏まえて相談できます。会社をいつ売るか迷っている方は、まずは無料相談で現状をお聞かせください。

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