M&Aで買手候補が増えないのはなぜ?仲介会社・地方銀行の買手探しの構造的問題

株式会社社長の専門学校
『会社売却2.0/
М&Aセルサイドアドバイザー協会』
代表 田中英司(たなかえいじ)

  • M&Aのプロアドバイザーかつ現役経営者。
  • ゼロから創業した会社を上場させ、買手・売手の両方を社長として経験。
  • 上場企業を引き継いだ後、複数社の会社を経営。
  • M&Aアドバイザーとしても、年商数千万~数十億のM&Aを成功に導く。

2026年のM&A業界では、会社を買いたい企業を開拓する仕組みが急速に整っています。

大手・中堅のM&A仲介会社買手探しを専門にする会社地方銀行M&Aプラットフォームなどが、それぞれ多数の買手情報を持つようになりました。

それにもかかわらず、会社を売りたい経営者が、日本全国の買手候補へ十分に接触できているとは限りません。仲介会社や金融機関が、自社で開拓した買手ネットワークを自社内に置き、自分たちの顧客同士で成約させようとするためです。

売手にとって重要なのは、どの仲介会社や銀行が買手を見つけたかではなく、自社を最も高く評価し、将来を託せる買手を見つけることです。M&Aのインフラが充実した今こそ、複数の買手探索ルートを同時に使い、全国から候補を募る必要があります。

本記事では、買手探しのインフラが拡大している一方で、売手がその恩恵を受けにくい業界構造を整理します。そのうえで、会社売却2.0が複数の仲介会社や買手専門チームを同時に活用し、候補数と条件競争を生み出す仕組み、会社規模に応じた探し方、成約までのスピード感を解説します。

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M&Aで買手候補が
増えないのはなぜ??

仲介会社・地方銀行の
買手探しの構造的問題

日本には、会社の買収を検討している企業が数多くあります。M&A仲介会社は売却案件を集めるだけでなく、企業に希望する業種や事業規模などを聞き、買収ニーズを蓄積しています。

近年では、買手探しを専門に支援する会社も増えています。大手仲介会社では100人を超える担当者、中堅会社でも50人規模のチームが買手開拓を行っている例があります。

地方銀行も、取引先企業の買収ニーズを把握し、売手と買手を結び付ける取り組みを進めています。

さらに、M&AプラットフォームのBATONZなども登場し、売手と買手が出会う手段は増えてきました。

このように、仲介会社、地方銀行、買手開拓の専門会社、M&Aプラットフォームなど、全国の買手候補へ接触するためのインフラは着実に広がっています。

問題は、仲介会社や金融機関が開拓した買手情報を自社で抱え、できるだけ自社のネットワーク内で成約させようとする点です。

M&A仲介会社は、一般的に売手と買手の双方から手数料を受け取ります。そのため、自社が受託した売却案件を、自社で開拓した買手に紹介して成約させようとする動機が働きます。

地方銀行も同様です。自行の取引先から売却案件を見つけ、別の取引先から買手を探し、自行のネットワーク内で成約させたいと考えます。

これは仲介会社や銀行にとっては自然な事業活動ですが、売手にとって最善の買手探しになるとは限りません。

売手が求めているのは、特定の仲介会社や銀行のネットワーク内で最もよい買手ではなく、全国の候補の中から最も条件のよい買手を見つけることです。

買手探しを一つのネットワークに限定すると、より高い価格や、よりよい条件を提示する企業と出会う機会を逃す可能性があります。

●買手候補が増えると価格競争が生まれる

幅広い買手へ同時に声をかければ、複数の企業から譲受条件の提案を受けることができます。

候補が1社だけなら、その会社の提示条件を中心に交渉するしかありません。しかし複数の候補がいれば、譲渡価格だけでなく、従業員の待遇や売手オーナーの引き継ぎ期間なども比較できます。

さらに、複数の買手が参加することで競争環境が生まれ、よりよい条件を引き出しやすくなります。

大切なのは、単に接触する企業数を増やすことではありません。買収意欲と資金力のある買手候補を全国から幅広く集め、比較できる環境をつくることが重要です。

会社売却2.0

会社売却2.0は、売手だけを支援する売手専任FAです。買手から手数料を受け取らないため、特定の買手や一社のネットワークに限定する必要がなく、売手にとって最もよい買手を探すことを優先できます。

会社売却2.0では、大手・中堅を含む10社以上のM&A仲介会社や買手探索会社と連携し、それぞれが持つ買手ネットワークを同時に活用します。

売手が各社へ個別に依頼するのではなく、会社売却2.0が売手側の窓口となって、複数のルートから買手候補を探します。地方銀行などとの連携が広がれば、そのネットワークも活用できます。

重要なのは、「どの会社が見つけた買手か」ではなく、「売手にとって条件のよい買手か」という視点です。

一社の仲介会社だけに依頼する場合と比べ、複数社の買手ネットワークへ同時に接続することで、より多くの候補へアプローチできます。また、複数の探索ルートを一斉に動かすため、買手候補を見つけるスピードも高まります。

もちろん、単に接触数を増やせばよいわけではありません。連携する各社には、買収意欲のある企業を継続的に開拓する専門チームがあります。

複数の買手ネットワークを同時に活用することで、買手の質を保ちながら、より幅広い候補から最適な買手を探せることが、会社売却2.0の特徴です。

地方銀行の中には、大手M&A仲介会社と提携し、自行の営業地域を超えて買手を探せる体制を整えている銀行もあります。そのため、すべての地方銀行が自行の取引先だけで買手を探しているわけではありません。

一方、過去には、まず自行の取引先の中から買手を探し、半年ほど経っても候補が見つからなければ、提携する仲介会社へ探索を依頼するケースもあったと聞いています。これはすべての銀行に当てはまるものではなく、あくまでこれまでの経験と推測を含む事例です。

しかし売手の立場から考えると、半年待ってから全国へ買手探しを広げるのではなく、 最初から地方銀行のネットワークと外部の仲介会社などを同時に活用した方が、より多くの候補へ早く接触できます。

M&A市場では仲介方式が大きな割合を占めており、仲介会社にも取引をまとめやすいなどのメリットがあります。仲介をすべて否定するのではなく、買手探しが一つのネットワークに限定されていないかを確認し、できるだけ早い段階から幅広い候補を探せる支援方式を選ぶことが重要です。

地方の飲食店や物販店など、地域に根差した小規模事業では、近隣の同業者や地元の経営者が買手になるケースが多くあります。

そのため、小規模な会社や店舗では、次のような地域に強い窓口を活用する方法が有効です。

  • 地方銀行・信用金庫
  • 商工会議所
  • 事業承継・引継ぎ支援センター
  • BATONZなどのM&Aプラットフォーム

例えば、地方の飲食店であれば、近隣地域で同じ事業を行い、新たな出店を考えている経営者が有力な買手候補になります。このような案件では、銀行が取引先の中から候補を探す方法にも十分な合理性があります。

会社売却2.0は、最低手数料が900万円のため、小規模案件では手数料負担が大きくなります。また、小規模な店舗を全国の買手ネットワークへ紹介しても、候補が増えるとは限りません。一つの目安として、譲渡金額が2億〜3億円以上になると、全国から買手を探すメリットが大きくなってきます。

実際に、小規模な店舗を経営する方からご相談をいただいた際には、全国ネットワークを使った支援が適さないことを率直にお伝えする場合もあります。その場合は、手数料の低いM&Aプラットフォームや地域の支援機関を活用する方が現実的です。

一方、数億円規模で全国の企業が買手候補になり得る会社を、地元のネットワークだけで探すのも得策ではありません。

※大切なのは、会社の規模や事業内容に応じて、「地域で探すのか」「全国から探すのか」を使い分けることです。

会社売却2.0では、大手・準大手のM&A仲介会社や買手探索会社3〜4社へ、同時に買手探しを依頼します。複数社の担当者が一斉に動くため、買手への接触スピードと候補数を大きく増やすことができます。

従来型のM&A仲介では、一人の担当者が売手対応から買手探し、交渉、成約までを一貫して担当するケースがあります。全体を把握しやすいメリットがある一方、買手探しに動ける人数には限りがあります。

会社売却2.0では、連携する各社の買手専門チームを同時に動かします。3〜4社のチームがそれぞれ候補企業を探すことで、短期間で幅広い買手候補をリストアップできます。案件によっては、300社ほどへ、ノンネームシートを一斉に送付することもあります。

その後も、各社の担当者が電話やメールで候補企業をフォローします。関心を示した企業には企業概要書を開示し、具体的な検討へ進めていきます。

一人の担当者だけに頼るのではなく、複数社の買手専門チームを一斉に動かす。

これにより、より多くの買手候補へ、より早く接触できることが会社売却2.0の強みです。

会社売却2.0では、最初に買手候補が見つかったからといって、すぐにその会社に決めるわけではありません。その後、さらに高い価格やよい条件を提示する買手が現れる可能性があるからです。

人気のある案件では、ノンネームシートの配布から意向表明書の提出まで、あえて3〜4週間ほどの期間を設けます。複数の買手に検討してもらい、同じ時期に意向表明書を集めることで、価格や条件を比較できる環境をつくります。

これにより買手同士の競争が生まれ、よりよい条件を引き出しやすくなります。

会社売却2.0が重視しているのは、単に早く売ることではありません。

短期間で幅広い買手へ接触し、複数の候補を比較できる競争環境をつくることです。

買手への初期接触は短期間で進められますが、会社売却全体には一定の時間が必要です。実際の案件では、売手との契約からクロージングまで6〜10か月ほどかかることがあります。

期間を短縮することは可能ですが、十分な買手比較、デューデリジェンス、契約交渉、引き継ぎ準備などを考えると、むやみに急ぐことがよいとは限りません。

買手探しは早く始める。一方で、買手の比較や交渉には必要な時間をかける。 この両方が、よりよい会社売却につながります。

まとめ

会社売却2.0

現在のM&A業界では、仲介会社の買手専門チーム、買手探索会社、地方銀行、M&Aプラットフォームなど、全国から買手を探すための仕組みが整いつつあります。

一方で、仲介会社や銀行が自社のネットワーク内だけで買手を探せば、売手が出会える候補は限られてしまいます。

売手にとって大切なのは、特定のネットワークの中から買手を選ぶのではなく、自社を高く評価し、安心して将来を託せる買手を幅広く探すことです。

会社売却2.0では、売手専任FAとして複数のM&A仲介会社や買手探索会社へ同時に依頼し、各社の買手専門チームを一斉に動かします。案件によっては約300社へノンネームシートを送付し、複数の候補から価格や条件を比較できる競争環境をつくります。

ただし、小規模な店舗や会社では、全国から探すより、地方銀行や信用金庫、商工会議所、事業承継・引継ぎ支援センター、M&Aプラットフォームなどを活用した方が適している場合もあります。

会社の規模や事業内容に合った方法で買手候補を広げ、複数の候補を比較できる環境をつくることが、よりよい会社売却につながります。

会社売却2.0は、買手側から手数料を受け取らない売手専任の立場に加え、一社のネットワークに限定せず、複数の買手探索インフラを同時に使える点に特徴があります。「今の仲介会社だけで十分な買手へ当たれているのか」「自社には全国型と地域型のどちらが合うのか」とお悩みの方は、全国対応の無料相談をご利用ください。

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