株式会社社長の専門学校
『会社売却2.0/
М&Aセルサイドアドバイザー協会』
代表 田中英司(たなかえいじ)
- M&Aのプロアドバイザーかつ現役経営者。
- ゼロから創業した会社を上場させ、買手・売手の両方を社長として経験。
- 上場企業を引き継いだ後、複数社の会社を経営。
- M&Aアドバイザーとしても、年商数千万~数十億のM&Aを成功に導く。
M&Aのアドバイザーは日本全国に数多く存在しますが、担当者によって実力には大きな差があります。
しかし、会社売却を初めて経験する売手経営者が、契約前にアドバイザーの実力を正確に判断することは簡単ではありません。実績や資格、会社の知名度だけを見ても、本当に自社の事業を理解し、買手候補に価値を伝えられる担当者かどうかは分からないからです。
売手アドバイザーの実力が特に表れやすいのが、企業概要書の作成と、買手候補から届くQAへの対応です。
この段階で適切な対応ができなければ、会社の強みが買手候補に伝わらず、本来得られたはずの評価や株価を得られない可能性があります。場合によっては、意向表明書が提出される前に、買手候補が検討から降りてしまうこともあります。
本記事では、M&Aの売手アドバイザーの実力を見分けるポイントを、実際の買手候補とのQA対応を中心に解説します。
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M&Aの売手アドバイザーは
どう見分ける?
買手とのQAで分かる
実力差と安値売却の
リスク
●売手アドバイザーの
実力は
どこに表れるのか
M&Aでは、買手候補は売却対象会社だけを見ているわけではありません。
売手アドバイザーの資料作成能力や回答力、対応のスピードなども含めて、売手側の体制を見ています。
その実力が最初に表れるのが、企業概要書の作成と、その後のQA対応です。
M&Aでは、まず売手側で企業概要書を作成します。そのうえで、会社名を伏せたノンネーム資料を買手候補へ提示し、興味を示した会社に詳しい企業概要書を開示します。
買手候補による評価は、この企業概要書を見た段階から始まっています。
「会社の情報がきちんと整理されている」
「事業内容や強みが分かりやすい」
「判断に必要な情報が十分に記載されている」
こうした概要書であれば、買手候補も安心して検討を進めることができます。
反対に、情報が少なかったり、説明が分かりにくかったりすると、「この程度の情報しか整理されていないのか」と不安を持たれる可能性があります。
つまり、企業概要書の品質には、売手アドバイザーの実力が表れるのです。


●買手候補とのQAで
アドバイザーの
実力が分かる
企業概要書を開示すると、買手候補から事業内容や財務状況などについて、さまざまな質問が届きます。
ここで重要なのは、意向表明書を提出する前に、買手候補に会社の実態をできる限り正しく理解してもらうことです。
理解が不十分なまま意向表明書が提出されると、後になって認識の違いが判明し、譲渡価格や条件の見直しにつながる可能性があります。
そのため私は、買手候補からの質問には、できる限り丁寧かつ迅速に回答することを重視しています。
また、QAは売手側が評価されるだけの場ではありません。質問の内容を見ることで、売手側も買手候補や買手側アドバイザーの分析力を確認できます。
買手候補の質問を見ると
分析力が分かる
買手候補からの質問を見ると、売却対象会社をどこまで理解しようとしているかが分かります。
例えば、次のような質問です。
- どのような仕組みで利益が生まれているのか
- 収益力が継続する理由は何か
- 主要取引先への依存度はどの程度か
- 競合他社と比較した強みは何か
- 今後も成長できる根拠は何か
- 正常な収益力をどう考えるべきか
こうした本質的な質問が多ければ、買手候補がビジネスモデルや収益構造を理解し、適切な株価を算定しようとしていることが分かります。
一方、質問数は多くても、会社の本質や収益構造とはあまり関係のない内容ばかりというケースもあります。
質問は「数」ではなく「中身」が重要です。
認識の違いは
意向表明前に修正する
QAをしていると、買手候補が事業内容を一部誤解していることもあります。
その場合、単に質問へ回答するだけでは不十分です。
「当社のビジネスモデルは、その仕組みではなく、実際にはこのようになっています」
「企業概要書では分かりにくかったかもしれませんが、収益が発生する構造はこのようになっています」
このように補足し、買手候補の認識を正しく修正することも、売手アドバイザーの重要な役割です。
買手候補が会社を誤解したままでは、企業価値を正しく評価できません。
だからこそ、意向表明書を提出してもらう前に、ビジネスモデルや収益力を正しく理解してもらうことが重要なのです。


●売手側の
回答内容とスピードも
評価されている
売手側が買手候補の質問内容を見ているのと同じように、買手候補も売手側の回答を見ています。
回答が曖昧だったり、質問の意図とずれていたりすると、
「会社の状況を正確に把握していないのではないか」
「この回答では投資判断ができない」
「今後の交渉でも意思疎通が難しいのではないか」
といった不安を持たれる可能性があります。
また、回答の内容だけでなく、対応スピードも重要です。
QAは一度に30~40件
届くこともある
最初のQAでは、買手候補から30~40件程度の質問がまとめて届くこともあります。
アドバイザーだけでは回答できず、経営者や社内担当者への確認が必要な質問もあります。また、一度回答すると、さらに追加質問が届くこともあります。
質問には重要度の違いがありますが、買手候補に会社を正しく理解してもらうためには、一つひとつ丁寧に対応する必要があります。
すべて揃うまで待たず、
重要な質問から回答する
私は、すべての回答が完成するまで一週間待ってからまとめて提出するのではなく、回答できる重要な質問から順番に返すようにしています。
当日中に回答できる重要な質問は先に回答し、確認に時間がかかる項目については、まず中間回答を出して後から補足します。
こうしたQAへの対応を通じて、買手候補は次のような点も見ています。
- 社内の情報が整理されているか
- 経営者が会社の状況を把握しているか
- アドバイザーが質問の意図を理解しているか
- 的確な回答ができているか
- 必要な情報を迅速に集められるか
つまり、QAは単なる質問と回答ではありません。
回答の正確さとスピードを通じて、売却対象会社の管理体制と売手アドバイザーの実力が評価される重要なプロセスなのです。


●良い質問と
意味の薄い質問は
どう見分けるのか
良い質問と意味の薄い質問は
どう見分けるのか
QAの内容を見ると、買手候補や買手側アドバイザーの分析力はある程度分かります。
ただし、同じ質問でも、売却対象会社の状況によって重要度は変わります。
大切なのは、質問の文言だけで判断するのではなく、その質問が会社の価値やリスクを判断するために本当に必要なのかを見ることです。
現時点では意味が薄い質問の例
例えば、十分な利益と現預金があり、ネットキャッシュもプラスの会社に対して、初期段階から銀行借入の返済計画を細かく質問するケースがあります。
しかし、財務に余裕があり、金融機関との関係にも問題がなければ、個別の借入返済計画を細かく分析する重要性はそれほど高くありません。
銀行借入があるからといって、資金繰りが厳しいとは限らないからです。
財務状況の良い会社でも、金融機関との関係維持や資金調達の選択肢を確保するために、あえて借入を行っていることがあります。
このような会社では、借入の細部よりも、収益力や事業の競争力、成長性などを確認する方が、企業価値を判断するうえで重要です。
借入に関する質問が
重要になる会社もある
一方、資金繰りが厳しく、金融機関からの借入によって事業が維持されている会社では、借入状況は重要な確認事項です。
- 毎月の返済額はいくらか
- 返済条件を変更していないか
- 追加融資を受けられるか
- 金融機関との関係に問題はないか
- 買収後も借入を継続できるか
こうした内容が買収条件に影響する会社であれば、詳しく確認する必要があります。
つまり、良い質問か意味の薄い質問かは、会社の状況と質問の目的によって変わるのです。
細かな仕訳だけを追う質問にも
注意する
勘定科目や仕訳の方法は、会社によって異なります。
もちろん、金額が大きいものや企業価値に影響する項目は確認する必要があります。しかし、初期段階から細かな仕訳の内訳ばかりを追っても、会社の本質的な価値を理解できるとは限りません。
企業概要書には、必要に応じて修正後の貸借対照表や損益計算書を掲載します。
こうした全体像を見ずに枝葉の数字ばかりを追っている場合、会社の収益構造や競争力といった、本来見るべきポイントを十分に捉えられていない可能性があります。
重要なのは質問の「細かさ」や「数」ではなく、企業価値を判断するために何を確認すべきかを見極める力なのです。


●良い質問はビジネスの本質を確認している
良い質問とは、売却対象会社のビジネスモデルや収益構造、リスクを理解するための質問です。
例えば、主要取引先に関する質問は重要です。
特定の取引先に売上が集中している場合、その取引が失われると業績に大きな影響が出る可能性があります。特に、1社への依存度が高ければ、実質的にその会社の下請けに近い状態になっていることもあります。
そのため、次のような点を確認することには意味があります。
- 主要取引先別の売上構成はどうなっているか
- 最大取引先への依存度はどの程度か
- 取引は継続的なものか
- 取引先を失う可能性はないか
- 新規取引先を獲得できる仕組みがあるか
こうした質問は、将来も現在の売上や利益を維持できるのかを判断するために必要です。
また、ビジネスモデルそのものを理解する質問も重要です。
単に「売上はいくらか」「利益はいくらか」を確認するだけではなく、なぜ利益を生み出せているのか、なぜ競合他社が簡単に真似できないのか、その強みは今後も続くのかまで確認する。
このように、数字の背景にある仕組みまで理解しようとする質問が、会社の本質的な価値を見極める「良い質問」なのです。


●営業秘密に関わる質問への回答は慎重に判断する
買手候補からの質問が本質的であっても、すべてにそのまま回答できるとは限りません。
特に、買手候補が同業者や類似事業を行う会社の場合、営業秘密やノウハウに関わる情報の開示には注意が必要です。
M&Aが成立しなかった場合、開示した情報によって売手側が不利益を受ける可能性があるからです。
例えば、次のような情報です。
- 詳細な顧客名や取引条件
- 営業手法や価格設定の方法
- 仕入先との契約条件
- 独自の業務手順
- 技術やノウハウの詳細
- 従業員や取引先の個人情報
こうした情報を、初期段階から無条件に開示することは避けるべきです。
開示できない情報は
別の形で強みを伝える
一方で、買手候補が会社の強みやリスクを判断するために、その情報を必要としている場合もあります。
そこで、単に「開示できません」と回答するのではなく、営業秘密を守りながら、別の情報で判断できるようにすることが重要です。
例えば顧客名を開示できなくても、
- 顧客の業種や規模
- 取引年数
- 売上構成比
- 契約の継続率や解約率
- 新規顧客の獲得方法
などを提示することで、顧客基盤の安定性や会社の強みを説明できます。
買手候補に「質問の意図を理解したうえで、開示できる範囲で必要な情報を提供してくれている」と感じてもらうことが大切です。
何でも開示することが
良いアドバイスではない
買手候補から求められた情報を、何でも開示すればよいわけではありません。
反対に、必要な情報まで隠してしまえば、買手候補は会社を評価できず、意向表明書を提出できません。
売手アドバイザーに求められるのは、「売手を守ること」と「買手が判断できること」の両立です。
どの情報を、どの段階で、どこまで開示するのか。開示できない場合には、どのような代替情報を提示するのか。
この情報開示の判断と調整も、売手アドバイザーの実力が表れる重要な仕事なのです。


●本質を理解した
買手候補ほど
適切な株価を提示できる
QAを通じて会社の本質を理解した買手候補ほど、その会社の強みを反映した株価を検討できるようになります。
同じ業界の会社でも、顧客構成、収益性、成長性、競争力、経営体制、事業リスクはそれぞれ異なります。
会社の中身を十分に理解しないまま株価を算定すると、業界平均の利益倍率などを機械的に当てはめることになり、その会社独自の強みが株価に反映されない可能性があります。
重要なのは、
「なぜ、この会社は利益を出せているのか」
「なぜ、高い収益性を維持できるのか」
「その強みは買収後も続くのか」
といった点まで理解してもらうことです。
会社の強みを深く理解してもらうことが、適切な株価評価につながります。
重たい質問が多いこと自体は
悪くない
実際のM&Aでは、一つの項目に複数の確認事項が含まれるような、回答に時間のかかるQAが届くこともあります。
回答する側は大変ですが、会社の本質を確認するための質問であれば、買手候補が真剣に分析している証拠ともいえます。
私が支援した案件でも、非常に詳細な質問をしてきた買手候補がありました。一つひとつ丁寧に説明し、追加質問にも対応することで、会社のビジネスモデルや強みを深く理解してもらうことができました。
そして意向表明書の提出前には、重要な論点について認識のズレがないかを改めて確認します。
「この点については、この認識で合っていますね」
「この論点については、こちらの説明で理解いただいていますね」
こうして認識をそろえたうえで、意向表明書を提出してもらいます。
買手候補が会社の価値を十分に理解していれば、その強みが株価に反映され、より高い評価につながる可能性も高くなるのです。

●枝葉の質問ばかりでは
会社の価値を理解できない

M&Aの担当者が、必ずしも対象会社の業界やビジネスに詳しいとは限りません。
資格を持ち、財務諸表を読むことができても、その会社がどのように利益を生み出し、なぜ競争力を持っているのかまで理解できていない場合があります。
そのような担当者のQAを見ると、会社の本質ではなく、細かな数字や枝葉の項目ばかりを質問していることがあります。
会社の価値は、一社ごとに異なります。
例えば、業界平均の利益倍率が3倍だからといって、すべての会社を同じ3倍で評価することが適切とは限りません。
同じ業界でも、収益力、成長性、顧客基盤、競争力、リスクなどには大きな違いがあるからです。
M&Aで重要なのは、その会社ならではの強みとリスクを見極めることです。
意向表明前のQAでも、細かな数字だけを追うのではなく、会社の収益構造や競争力、将来性まで確認する必要があります。
そのため、最初のQAシートを見るだけでも、買手候補や担当アドバイザーが会社の本質をどこまで分析できているかは、ある程度分かるのです。

●売手アドバイザーの
回答力が低いと
会社まで安く見られる
売却対象会社が優良で、経営者が優秀であっても、売手アドバイザーの説明力や回答力が低ければ、その価値が買手候補に正しく伝わりません。
例えば、買手候補から本質的な質問が届いているのに、アドバイザーが質問の意図を理解できず、的外れな回答をしてしまうケースです。
すると買手候補は、
「この会社の強みがよく分からない」
「経営管理が十分ではないのではないか」
「資料と回答の内容が一致していない」
「買収後に問題が出てくるのではないか」
と不安を感じる可能性があります。
実際には会社に問題があるのではなく、アドバイザーが会社の価値をうまく説明できていないだけかもしれません。
しかし、買手候補は企業概要書やQAなど、限られた情報をもとに会社を評価します。
そのため、説明や回答が不十分であれば、本来は高く評価される会社でも、会社そのものの評価が下がり、提示される株価まで低くなる可能性があります。
M&Aの売手アドバイザーに必要なのは、財務や契約の知識だけではありません。
会社のビジネスを深く理解し、その強みや価値を買手候補に正しく伝える力も、売手アドバイザーに求められる重要な能力なのです。


●QA対応が悪いと
デューデリジェンス前に
株価が下がる
QAへの回答が不十分だと、デューデリジェンスで減額される以前に、意向表明書の段階から低い株価を提示される可能性があります。
場合によっては、買手候補が検討をやめ、意向表明書そのものが提出されないこともあります。
売手側が希望価格を設定するのは、それだけの価値が会社にあると考えているからです。
しかし、その価値を企業概要書やQAで買手候補に伝えられなければ、高い株価を提示してもらうことは難しくなります。
企業概要書だけで、会社の強みをすべて説明し切れるとは限りません。
そのため、本質的な質問が届いたときには、
「そこを確認してほしかった」
「その質問への答えこそ、この会社の強みです」
というポイントを丁寧に説明し、企業概要書だけでは伝え切れなかった会社の価値を理解してもらうことが重要です。
聞かれていない本質的な情報を
補足することもある
一方、買手候補からの質問が枝葉の内容に偏っている場合、聞かれたことだけに回答していても、会社の本当の価値は伝わりません。
そのような場合、私は質問への回答に加えて、
「この質問に関連する本質的な論点はこちらです」
「収益力を理解するためには、この点も確認してください」
「追加情報として、この会社の強みが生まれる仕組みを説明します」
といった補足をすることがあります。
QAは、聞かれたことだけに答える作業ではありません。
必要であれば売手側から本質的な情報を補い、買手候補に会社の強みや収益力を正しく理解してもらうことが重要です。
こうした対応が、意向表明書の提出や適切な株価評価につながります。

●情報を開示する
時期の判断も
アドバイザーの仕事
M&Aでは、最終的に買手候補へ詳細な情報を開示する必要があります。
意向表明書を受領し、デューデリジェンスから最終契約へ進むにつれて、契約書、取引先情報、借入資料など、開示する情報も詳しくなっていきます。
しかし、最初からすべての情報を開示するわけではありません。
意向表明書が提出される前は、まだ買手候補との関係や検討状況が固まっていないため、開示する情報の範囲を慎重に判断する必要があります。
特に買手候補が同業者の場合、顧客情報や営業ノウハウなどを早い段階で開示すると、M&Aが成立しなかった場合に売手会社が不利益を受ける可能性があります。
一方で、情報を出さなければ、買手候補は会社の価値を正しく判断できません。
そのため、売手アドバイザーは、
- 現時点で開示してよい情報は何か
- 意向表明書を受けてから開示する情報は何か
- デューデリジェンスで開示する情報は何か
- 個別情報を伏せながら、どう会社の強みを伝えるか
を案件ごとに判断する必要があります。
何でも開示することも、何も開示しないことも適切ではありません。
買手候補が判断できる情報を提供しながら、売手会社の利益や営業秘密を守る。その開示のタイミングと範囲を見極めることも、売手アドバイザーの経験と実力が表れる重要な仕事なのです。


●売手アドバイザーを
選ぶときに
確認したいこと
※M&Aの売手アドバイザーを選ぶ際は、会社の知名度や成約件数だけでなく、実際に誰が、どのように案件を進めるのかを確認することが重要です。
特に、次の5つのポイントを確認しておきましょう。
1.企業概要書を誰が作成するのか
担当アドバイザー自身が会社を理解して作成するのか、それとも別の部署や外部スタッフに任せるのかを確認します。
企業概要書を作る人が会社の本質を理解していなければ、買手候補に強みや価値を十分に伝えることができません。
2.買手候補からのQAに誰が回答するのか
買手候補からの質問について、担当アドバイザーが意図を理解し、回答を組み立ててくれるのかも重要です。
質問を売手経営者へそのまま転送し、返ってきた回答をそのまま買手候補へ送るだけでは、十分なサポートとはいえません。
3.質問されていない強みも伝えられるか
買手候補が会社の本質を十分に理解していなければ、質問されたことだけに答えても、会社の価値は伝わりません。
必要に応じて、買手候補が気づいていない会社の強みや重要な論点まで補足できるかを確認しましょう。
4.情報開示の範囲を判断できるか
営業秘密やノウハウを守りながら、買手候補が判断するために必要な情報を提供できるかも重要です。
求められた資料を何でも渡すのではなく、「何を・いつ・どこまで開示するか」を判断できるアドバイザーを選ぶ必要があります。
5.QAの回答スピードを管理できるか
QAが30件、40件と届いた場合でも、すべての回答がそろうまで待つのではなく、重要な質問から順番に回答できるかを確認します。
回答が遅ければ、買手候補の検討が進まず、意欲が下がる可能性もあります。
売手アドバイザーを選ぶときは、「どこの会社に頼むか」だけでなく、「誰が担当し、会社の価値をどのように買手候補へ伝えてくれるのか」まで確認することが重要です。


まとめ
※アドバイザーの実力によって会社の評価は変わる

M&Aでは、売手会社の価値だけで株価が決まるわけではありません。
企業概要書の品質、買手候補への回答力、情報開示の判断、対応スピードなど、売手アドバイザーの実力によって、買手候補からの評価は変わります!
どれだけ優良な会社でも、アドバイザーがその強みを理解し、買手候補へ正しく伝えられなければ、本来の価値を十分に評価してもらえません。
特にQAは、会社の価値を伝える重要な機会です。
買手候補からの本質的な質問に的確に回答し、必要であれば質問されていない強みも補足する。一方で、営業秘密やノウハウについては、開示する範囲やタイミングを慎重に判断する必要があります。
こうした対応が不十分であれば、意向表明書の段階から株価が低くなったり、買手候補が検討から離脱したりする可能性があります。
だからこそ、売手アドバイザーを選ぶ際には、会社の知名度や成約件数だけでなく、自社のビジネスを理解し、その価値を買手候補へ正しく伝えられるかを確認することが重要です。
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この記事を書いた人
会社売却2.0


