株式会社社長の専門学校
『会社売却2.0/
М&Aセルサイドアドバイザー協会』
代表 田中英司(たなかえいじ)
- M&Aのプロアドバイザーかつ現役経営者。
- ゼロから創業した会社を上場させ、買手・売手の両方を社長として経験。
- 上場企業を引き継いだ後、複数社の会社を経営。
- M&Aアドバイザーとしても、年商数千万~数十億のM&Aを成功に導く。
会社売却を検討している経営者にとって、今後M&A業界がどうなっていくのかは気になるところではないでしょうか。
2026年のM&A業界については、私は非常にポジティブに見ています。中長期で見れば、会社を譲渡したい人は今後も増えていくでしょうし、買い手企業の理解も進み、支援する側の練度も上がっていくと考えています。
一方で、短期的に見ると、大手は伸びる一方で、中小の仲介会社は厳しくなる可能性があります。また、ルール整備や資格制度も進み、売り手が相談先を選ぶ基準もこれまで以上に重要になっていきます。
会社売却を考えるなら、こうした業界の流れも踏まえたうえで、誰に相談するかを判断することが大切です。
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目次
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1.2026年の
M&A業界は
中長期で伸びていく
私は、M&A業界は今後10年、あるいは20年という単位で見ても、伸び続けていく可能性が高いと考えています。
その理由の一つは、会社を譲渡したいと考える経営者が増えていることです。
そして、それを支援する仲介会社やアドバイザーも増えており、買い手企業の側でもM&Aのメリットを理解するようになってきています。
さらに、仲介会社やアドバイザーの練度も、買い手側の練度も、時間とともに上がっていくはずです。
M&A業界はまだ発展途上の部分が多く、裏を返せば、今後さらに成熟していく余地が大きい分野でもあります。
加えて、日本には、規模が小さい会社が多く、成熟期を迎えた産業の中には、統合が進めた方が経済合理性が高まる分野もあります。
そう考えると、M&Aは今後も必要性が高い分野であり、M&A業界は当面、成長余地のある分野であり続けると考えています。


2.短期では大手が伸び、中小の仲介会社は
厳しくなる

ただし、1年から2年といった短期で見ると、少し違った見え方になります。
まず、大手のM&A会社は、今後も成長する可能性が高いでしょう。
採用を増やし、教育に力を入れると、一時的に業績が悪くなったり、利益率が下がったりすることはあります。それでも、大手は伸びていく可能性が高いと見ています。
一方で、中小の仲介会社は厳しくなる可能性があります。
理由の一つは、やはりビジネスモデルです。
すでに多くの人員を抱えてM&A仲介を展開している中で、小規模な仲介会社が同じモデルで正面から戦っても、なかなか勝てません。
また、「丁寧にやります」「親切にやります」「ベテランが対応します」と打ち出すところもありますが、それだけでは差別化として弱い面があります。しかも、ベテランによる対応を強調しながら、実際には若手や未経験者を採用しているとなると、訴求としても少し一貫性に欠けて見える場合があります。
こうした背景から、今後は苦戦する仲介会社も出てきて、事業から撤退するケースも増えていくと考えられます。
すべての会社が生き残るわけではなく、最終的には、選ばれる会社が限られていく――
そんな業界構造になっていくのではないでしょうか。

3.M&A業界では
ルール整備が
進んでいる

最近の大きな流れとして、M&A業界ではルール整備が進んできています。
その一つが、
「M&A支援機関登録制度」です。
この制度には、登録して必要な手続きを踏んでおくと、補助金の対象になるというメリットがあります。実際に、この制度を使って補助金を活用しているケースもあります。今後は逆に、この制度に登録していないことがデメリットになる場面も出てくるかもしれません。
この制度では、1年間でどのような案件を扱ったかという実績報告も求められます。どのような案件を、どれくらいの件数・金額で扱ったのかが蓄積されていくので、支援会社の実績も見えやすくなっていくはずです。
あわせて、新しい基準やルールも随時更新されています。どのようなルールに則って業務を行っているのか、ということも今後はますます重要になっていくでしょう。
資格の有無も
今後は相談先選びの参考になる
今後は、資格制度の整備も進んでいく可能性があります。
すでに民間資格として、「M&Aシニアエキスパート」のような資格があります。私自身も2025年末に受験して合格しましたが、実務経験がない状態で受けるなら、かなり勉強しないと難しい試験だと思います。問題集もありますし、講座を受けて学ぶ必要もあるレベルです。
今後は、こうした資格を持っているかどうかも、売り手が相談先を選ぶ際の一つの判断材料になっていくのではないでしょうか。もちろん、資格だけで全てが決まるわけではありませんが、少なくとも一定の知識や学習をしているかを見る参考にはなるはずです。
M&Aでは仲介以外のビジネスモデルも増えている
最後に、ビジネスモデルの多様化についてです。
大手仲介会社は、いろいろ言われながらも、これからも仲介を続けていくでしょう。売り手・買い手の双方から報酬を得るモデルは売上規模が大きく、簡単には捨てられないからです。
その一方で、仲介ではないモデルも生まれてきています。売り手だけを支援するアドバイザー会社もありますし、買い手だけを支援する会社もあります。こうした新しいモデルがそれぞれ出てきていて、それぞれの形で戦っていく流れになっています。
また、案件規模によって向いているやり方も違います。100億円を超えるような案件であれば、買い手候補はある程度限られているので、買い手候補のネットワークに打診し、入札形式で進めるという方法を取りやすくなります。
一方で、5億~20億円くらいまでの案件では、ある程度数を当たらないと難しい面があります。そうなると、また違ったネットワークや進め方が必要になります。つまり、すべての案件に同じビジネスモデルが合うわけではありません。


4.売り手は
「ビジネスモデル」と
「担当者の練度」で
選ぶべき
では、売り手は何を基準に相談先を選べばよいのでしょうか。

大事なのは、最初から1社に決め打ちしないことです。
いろいろな会社に相談することは全く問題ありません。むしろ、しっかり比較したうえで最終的に選ぶことが大切です。
その際に見るべきポイントは、主に2つあります。
「ビジネスモデル」と「担当者の練度」です。
1.ビジネスモデルを見る
M&Aの支援にはいくつかの形があります。
- 仲介(売り手・買い手の双方を支援)
- 売り手側のアドバイザー(売り手専任)
- 買い手側の支援会社
どの立場で関わるかによって、進め方や交渉のスタンスは大きく変わります。
そのため、「どのビジネスモデルで支援しているのか」を理解しないと、自社に合っているか判断できません。
2.担当者の練度を見る
もう一つ重要なのが、実際に担当する人のレベルです。
会社の知名度や実績だけで判断するのではなく、
担当者がどれだけ理解しているか、経験や判断力があるかを見極める必要があります。
売り手としては、この2つをしっかり見て選ぶことが、M&Aを成功に近づけるうえで非常に重要です。

まとめ
2026年のM&A業界は、中長期で見れば伸びていく可能性が高いと考えています。
会社を譲渡したい人は増え、買い手の理解も進み、支援する側の練度も上がっていくでしょう。
その一方で、短期では大手が伸び、中小の仲介会社は厳しさが増していく可能性があります。さらに、M&A支援機関登録制度をはじめとしたルール整備や、資格制度の整備も進み、相談先を見極める基準は今後さらに明確になっていくはずです。
その中で売り手にとって大切なのは、相談先をしっかり比較することです。ビジネスモデルと担当者の練度、この2つを見極めたうえで選ぶことが重要です。
会社売却を考えているものの、
- 「今のタイミングで動くべきか迷っている」
- 「仲介と売り手アドバイザーの違いを整理したい」
- 「自社に合う相談先をどう見極めればいいのか知りたい」
という方も多いと思います。
そうした場合は、まず複数の相談先を比較しながら、自社に合う進め方を確認していくことが大切です。
早い段階で整理しておくことで、後から迷いにくくなります。
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この記事を書いた人
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