プロが教える「損をしない」M&Aの進め方!知り合いから買ってあげるよと言われたら?

株式会社社長の専門学校
『会社売却2.0/
М&Aセルサイドアドバイザー協会』
代表 田中英司(たなかえいじ)

  • M&Aのプロアドバイザーかつ現役経営者。
  • ゼロから創業した会社を上場させ、買手・売手の両方を社長として経験。
  • 上場企業を引き継いだ後、複数社の会社を経営。
  • M&Aアドバイザーとしても、年商数千万~数十億のM&Aを成功に導く。

会社売却を検討し始めると、その噂を聞いた知人から「私が買ってあげるよ」といった声がかかることがあります。長年の付き合いがある相手からの提案は、一見すると「交渉もスムーズに進みそうだし、安心だ」と感じるかもしれません。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。実は、こうした「知り合い同士の口約束」から始まるM&Aほど、後に深刻なトラブルに発展したり、本来得られるはずだった譲渡対価を大きく損なったりするリスクを孕んでいるのです。

今回の記事では、知り合いから買収打診を受けた際に「絶対に踏むべき正しいプロセス」について詳しく解説します。

「適正な価格はどう決めるのか?」「手続きはどう進めるべきか?」 大切な会社を最高の形で次世代に引き継ぐために、経営者が知っておくべきポイントをお伝えします。

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プロが教える
「損をしない」M&Aの
進め方!

知り合いから買ってあげるよと言われたら?

Q.先日、LINEでこのような相談が届きました。 「知り合いの社長から『会社を買ってあげるよ』と言われたのですが、このまま進めてもいいのでしょうか?」

会社売却2.0

こうしたケースはたまにあります。 もちろん、入り口として自社に興味を持っていただけるというのは、非常にありがたいお話です。ですから、引継ぎ先として知人の方を検討すること自体は良いと思うのですが、大切なのは、その知り合いの方はあくまで「M&Aプロセスにおける買い手候補の一社」に過ぎないということです。

今回はM&Aの進め方について、一体どのステージでどう対処すべきなのか、順番に説明していこうと思います。

会社売却2.0

知り合いの方というのは、おそらく会社の外形を見て「こんな事業をやっているよね」「お店にお客さんが結構入っているよね」といった判断をされています。あるいは他の事業であれば、伝え聞いた話の中で「そこそこ売上が立っていそうだ」「従業員もこれくらいはいそうだ」という、いわゆる「ドタ感」で話をされていることが多いのです。

私が知っているケースでも、売り手オーナー様が「10億円では売りたい」とおっしゃっていて、概ねもう少し狙えるかなという金額感で、私が概要書を作って進めていた案件がありました。

そうしたステージにいる方に対して、知り合いから「買わせてほしい」と言われたとします。10億円以上の案件ともなると非常に複雑なのですが、知り合い同士の会話の中で10億円という価格について相談し合っても、うまくまとまることはないでしょう。

大切なのは、どの論拠で10億円という価格を見積もったかということです。たとえ知り合いであっても、それは買い手候補の一社です。しっかりとプロセスに則って進める必要があります。

会社売却2.0

例えば、皆様から私に「会社を売りたい」というご意向をいただいて、アドバイザー契約をさせていただいたら、まずは「会社のことを知る」ことから始めます。

1.会社を譲渡するためのパンフレット「概要書(IM)」の作成

専門用語では「IM(インフォメーション・メモランダム)」と言ったり「企業概要書」と言ったりする「会社を譲渡するためのパンフレット」のようなものを作成します。
ここには、会社がどんな事業をやっているかということは当然入りますが、財務、ビジネス、そして税務といったあらゆる面をある程度整理して盛り込みます。その中で問題点があれば整理しますし、一般的な決算書に対して「修正」を入れて実態値に近づける作業も行います。

資産の評価:
書類上の資産と簿価評価の確認、および実態評価の算出。
損益(PL)の分析:
売上・利益・経費の推移。
経費の精査:
一過性の経費か継続的にかかる経費かの確認。

これらをプロの目で見た時に、会社の「全容」がわかる資料を作ります。そうした基礎資料を作った上で、私(アドバイザー)も内容を理解し、数字を見た上で「いくらぐらいの売却金額か」ということをオーナー様と相談するわけです。
2.情報を守りながら相手を探す
「ノンネーム・シート」
この「概要書」には詳細な情報が書いてありますが、できるだけ会社を売却するという情報は出回りたくないものです。かといって、買い手候補が興味を持ってくれる資料がなければ進みません。
そこで、概要書の中から情報をピックアップして「ノンネーム・シート」というものを作成します。
これは、買い手企業が案件を探している時に「あ、これは私が探している案件に近いな」と判断できるようにするためのものです。例えば、北海道で探している方に九州の案件は要りませんよね。そうしたエリア、規模感、業種、予算感といった要素だけを分かりやすくダイジェストで書き、会社が特定されないようにした資料です。
3.秘密保持契約(NDA)から「概要書」の提示へ
プロセスとしては、まずノンネーム・シートを見て「なんとなく良いですね」と手を挙げた方に対し、この時点で必ず「NDA(秘密保持契約書)」を締結します。契約を交わした上で、初めて詳細な「概要書」を提示するのです。
買い手は概要書を見て初めて、具体的な内容がわかります。
冒頭の「知り合いに買いたいと言われた」という状況は、実はこうしたプロセスが全くない状態での意向です。もっと言えば、ノンネーム・シートよりも情報が薄い状態です。ノンネーム・シートにはある程度の売上や収益、資産規模を入れますので、その手前で話をしていることになります。
4.知り合いの買い手候補と
どう向き合うか
では、その知り合いの方にどう進めるべきか。 「(事業内容は知っているから)ノンネーム・シートはもういいでしょう」となるかもしれませんが、まずはNDA(秘密保持契約書)を結び、「概要書」を見てもらうべきです。
売り手として「こういう論拠に基づいて、こういう資産・負債・売上・ビジネスがある。だからこの金額で買ってもらいたいと考えているのですが、いかがですか?」という情報を提示し、向こうの意向を確認する。これが本来の形です。
しかし、その流れを飛ばして、会社の外形を見て「買いたいよ」と言ってもらえるのはありがたい話ですが、何も分からない状態で10億円で買えそうだと言われても、信ぴょう性に欠ける回答と思っていただいた方が良いでしょう。
もっと言えば、実は価値は15億円で売れるかもしれません。概要書を作って精度を上げて調べるからこそ、売り手も納得感のある価格提示ができるのです。価格提示には「いくら欲しい」という気持ちが入っても良いのですが、それは財務やビジネスに裏付けられた「企業価値」でなければなりません。その前提がないままでは、まとまるものもまとまりません。
5.「知り合いだから」という
安心感の落とし穴
知り合いの方が良く調べもせずに、10億円で買ってくれると言ったとしても、実際にM&Aが進んでいく過程で、必ず後から詳細に調べられます。 1万人に1人、ノーチェックで現金を振り込んでくれる人はいるかもしれませんが、普通は後から「話が違った」という議論になります。
それなりの規模の会社であれば、オーナー社長同士が口頭で約束しても、役員会や株主の手続きが必要です。その手続きを担当する実務者は、当然「デューデリジェンス(買収監査)」を行います。
「なんでこの金額なんですか?」「ここはどうなっているんですか?」と必ずメスが入ります。
ですから私は、そうしたケースの時は「ありがたいお話ですね。では、こちらで概要書をちゃんと作って、一番最初にその方にお持ちしますので、そこでご判断を仰いでください。そこから始めさせてください」とアドバイスします。
6.買い手候補を複数社募るからこそ
本当の価値が見えてくる
知り合いを優先する必要はありません。あくまで「買い手候補の一社」として参加してもらうのです。 仮にその知人が10億円と言っていても、他から12億円を提示する人が出てくるかもしれません。我々の査定が12億円であれば、当然それを論拠として提示します。
その中で、知人の方が提示条件において一番良い買い手であれば買ってもらえばいいし、そうでなければ他の人に買ってもらえばいい。
まずはしっかりとした「概要書」を作成し、買い手募集のタイミングですぐに連絡を取り、秘密保持を結んで検討の土俵に乗ってもらう。そこから質問を受け、意向表明を受け、独占交渉権やデューデリジェンスへと進んでいただきます。
「なんとなく昔からのご縁があって、お金持ちだから買ってくれると言っている。自分の言った値段でいいと言ってくれたから、売れたようなものだ」 そんな風には絶対に行きません。結果的にその方が買うことになったとしても、必ずこれらの「プロセス」を経ていただくことをおすすめします。
なぜなら、会社を売る時には、多くの手続きが並行します。例えば、お金を払った瞬間に相手が経営権を持つことになりますが、株を100%譲渡するには「譲渡承認」を会社から受けるといった法的な手続きが必要です。こうしたことを含めて、売り手・買い手双方がリスクを負わないように進める必要があるのです。
会社売却2.0

しっかりと手順を踏んでおかないと、親しいからこそ逆に手続きを抜いてしまい、後々トラブルに発展します。だからこそ、私は「専門家を入れて対応したほうがいいですよ」とアドバイスしています。

仲介業者ではなく
「売り手のアドバイザー」を立てるべき理由
「知り合いの社長から買いたいと言われた場合、誰に相談すればいいのか?」という疑問があるかと思います。もちろん私にご相談いただければと思いますが、ここで重要なのは、仲介業者ではなく「売り手のFA(ファイナンシャル・アドバイザー)」をつけるという選択肢です。
私は売り手のアドバイザーですので、もし私がついた場合は、買い手の方がどなたであれ、しっかりと交渉させていただきます。
実は我々プロが一番困るのは、相手(買い手)が「素人」であることなんです。手続きが分かっている方ならありがたいのですが、そうでない場合は、手間も時間もかかります。ですから、買い手側にも「できれば専門家をつけてくれませんか」とお願いすることもあります。
これが仲介業者への相談だと、おそらく「両手(売り手・買い手双方)」の仲介になるでしょう。しかし、仲介には利益相反の問題もあります。売り手様として、複雑な手続きを完璧にこなす自信があるでしょうか。本当に過失なく進められる確信がないのであれば、やはり売り手側のアドバイザーをつけるべきです。
「会社を買うよ」と言われても一度冷静になってください。
規模が大きくなる
ほど専門家の力が必要になる
もちろん、5席や10席の小さな喫茶店を譲るという話であれば、大家さんとの交渉や、税理士さんへの相談で済むかもしれません。
しかし、今回お話ししているような10億円規模、あるいは複数の事業や多くの従業員を抱える会社となると、話は別です。

M&Aというのは多岐にわたる手続きが必要です。
税務の手続き
労務の整理
株式の譲渡手続き
不動産(賃貸先との契約関係)の整理
取引先との契約継続の確認
これらをすべてクリアしなければなりません。登場人物も、弁護士、公認会計士、司法書士、税理士、社労士と、多岐にわたる専門家が必要になります。我々アドバイザーは、これらをトータルで仕切る役割を担います。
「この判子は実印でしたっけ?認め印でいいんでしたっけ?」といった実務的な細かい部分まで含め、ミスが許されない作業が続くのです。
もし、ご自身で手続きを理解できていないと感じるなら、ぜひプロに相談してください。私がアドバイザーとして入れば、買い手候補の方に対しても「こういう手順で進めます」と論理的に説明し、リードしていきます。

今回は、会社の売り方について解説しました。
「具体的なエビデンス(証拠資料)を見ていない状態での口約束」は危険です。

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