売却価格の見積もりをM&A仲介会社は安く出す!?真相を解説

株式会社社長の専門学校
『会社売却2.0/
М&Aセルサイドアドバイザー協会』
代表 田中英司(たなかえいじ)

  • M&Aのプロアドバイザーかつ現役経営者。
  • ゼロから創業した会社を上場させ、買手・売手の両方を社長として経験。
  • 上場企業を引き継いだ後、複数社の会社を経営。
  • M&Aアドバイザーとしても、年商数千万~数十億のM&Aを成功に導く。

今回は、LINEの無料相談をご利用頂いた方の相談事例をもとに解説させて頂きます。

あるオーナー社長様がM&A仲介会社に相談したところ、「売却価格(譲渡価格)の見積もりが思ったより安かった」ということで当社にご相談して頂きました。

なぜ、このようなことが起きているのか、弊社田中のYoutube動画より、Q&A形式で解説させて頂きます。

\この記事を動画でサクッと理解/
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売却価格の見積もりをM&A仲介会社は安く出す!?
真相を解説

適正価格で売るために!
仲介会社が見逃しがちな
チェックポイント!
question
会社売却2.0

決算書が歪んだ使い方をされているケースが良くあります。そのため、私の場合は売主様と決算書を見ながらお話を伺います。

LINE でも同じような流れですが、まずバランスシートで全体の資産がどうなっているか、純資産やネットキャッシュがどのくらいかを確認し、PL では利益はどれくらい出てるか、EBITDAではどのくらいかを確認します。

  • バランスシート(BS):資産全体の構成、純資産、ネットキャッシュの状況を把握します。
  • 損益計算書(PL)とEBITDA:どれだけ利益が出ているか、EBITDA(営業利益+減価償却費)はどのくらいかをチェックします。

■ しかし、決算書だけ見ても会社の実態は分からないんですね。

なぜ分からないかというと、悪い意味ではなく、決算書が歪んだ使い方をされているケースが良くあるからです。例えば過剰な役員報酬などが上げられます。役員報酬が過剰な場合は、その分を利益に加算することができます。

さらに売上の推移です。横ばいか、上がっているのか、下がっているのかで評価が全然変わります。将来利益を買ってもらうわけですから、ものすごく良いことが起きるのであれば高めに設定することができます。

■ 私のスタンス:「上限いっぱいの価格を狙いに行く」

できたら1円でも高く売りたいです。そのために、売主様の強みをしっかりヒアリングし、それをバリュエーションに反映させます。

■ただし、注意点もあります!

これはあえて申し上げますが、買い手は私ではありません。論理で説明して、高く売るべき理由を説明しても、それを受け入れるかどうかは「買い手次第」です。「買い手が納得する範囲で、最も高い価格を正当化すること」を常に目指しており、これはあくまで私の志であり、信念です。

仲介会社の見積もりが安くなる理由は、「知識や配慮の不足」かもしれません。
会社の本来の価値を理解し、適正かつ最大限の価格を引き出すには、実態を見抜き、未来を見据えた判断が欠かせません。
question
会社売却2.0

安い見積りの
メリット・デメリット

【デメリット】

  • 売主様の目線とあわなければ、断られて終わりになります。

【メリット】

  • 「まあ、それくらいの金額なら任せよう」と納得してもらえれば、仲介会社としては売りやすくなります。
    実際、こういったケースは非常に多く見られます。

中には、私が出した金額と、仲介会社が提示した金額で「倍」くらい差があることもあります。
売主様がその安い見積もりで仲介会社に依頼すれば、当然買い手は簡単に見つかります。

高い見積りの
メリット・デメリット

【メリット】

  • うまくいけば高く売れる可能性がある。
    言うのは簡単ですが「本当か?」という話。これは疑ってください。私も疑ってもらって結構です。

【デメリット】

  • 高すぎると売れにくく、クロージングに至らないリスクがあります。
  • 場合によっては、売れなかったのに「概要書作成費用」「株価算定費用」「中間金」などの費用を請求されることもあります。売れていなくても、中間金を請求して経営が成り立つM&A仲介会社もあるのかもしれませんね。そうなると、価格を下げざるを得ない状況に追い込まれることことになりかねません。。

【私のスタンス】

私の場合は、長所と短所を理解した上で理論を説明し、その中で最大値を狙っていく形で価格を提案をします。
そのため、初対面ですぐに「いくらです」と株価を提示することはありません。
会社の状況や業績の推移をしっかり把握したうえで、慎重に見積もるのがベストだと考えています。

question
会社売却2.0

よくある「隠れたリスク」の例
・労務問題はないですか?
・未払い残業代はありますか?
・退職規定はありますか?
・退職規定は無いけれど、退職金を払った実績はないですか?
・税務に関してどうですか?

これらの項目はすべて、企業価値を下げる要因(リスク)になります。
たとえば、退職金の未払いや過去の支給実績がある場合、それに対する引当金を計上する必要が生じるため、利益が減り、株価にも影響します。
もし事前にこれらの情報を把握していなければ、提示した企業価値の見積もりも変わってしまいます。したがって、面談だけで即座に株価を提示することはできないのです。

■ 飲食店の例:契約期間が企業価値に影響を与えるケース

ある飲食店の例で、店舗は1店舗で、その店舗を立ち上げてから期間が経っていた店舗です。
その店舗は「定期借家契約」で賃貸されており、残りの契約期間はたったの2年しかありませんでした。

このような場合、残存期間2年ということは2年しか利益を見ることができません。さらに契約終了後の原状回復費などの「撤退コスト」も想定しなければなりません。買い手側が見積もるのは「残り2年間の利益」と「撤退費用」になるため、価値が相殺されてしまいゼロになってしまいます。

■ 対応策の提案

それではどうするか。私の場合は売主様に「譲渡するまでに契約を7年間に戻しましょう」とご提案します。契約が短いままだと、せっかくの店舗の利益も企業価値として評価されないからです。

これは、決算書のPL(損益計算書)を見るだけでは分かりません。決算書には店舗の利益が加算されています。しかし、詳しく話を聞いた結果、定期借家契約の残存期間が2年しかなくて、なおかつ撤退費も全部見積もり現状回復費用とされてしまうため、BSも痛むし、PLもほとんど加算できません。内容が全然変わってしいます。

そういった論点がたくさんあるので、これらを確認しないと株価はわかりません。

■ まとめ

  • 見えないリスク(労務・契約・税務)は企業価値に大きく影響します。
  • 決算書だけでは判断できない重要な論点が多数あります。
  • 面談を通じて丁寧に情報を確認しない限り、正確な株価評価はできません。
question
会社売却2.0

企業の価値を正しく見極めるには、想像力と丁寧な確認作業が欠かせません。
特に、決算書だけでは見えない“隠れたリスク”があるため、そこに光を当てて、最大値をつけることがアドバイザーの重要な役割です。

高く買ってくれる買い手を探すのが私の仕事ですが、買うのは私ではないので、これは申し訳ないけれど誰も担保できません。

■「高く売れる可能性」を追求する姿勢

私たちと他の仲介会社との違いは、「最初から高く売ることをあきらめていないか」という姿勢です。
私は売主様の立場に立って、できる限り高い価値を提示したいと考えています。
買い手は私ではない以上、最終的な価格は保証できませんが、“安く出す”ことを前提とした提案は志がないと思っています。

安く提示してすぐ売れたとしても、素晴らしい仲介会社だとは思いません。値決めを間違えていると思います。さすがにとんでもない値段を希望されたら無理です。例えば私が「3億〜3.5億」ぐらいで伝えても、「どうしても7億で売りたい」と言われても、それはさすがに難しいです。

■リスクと価値に影響する具体例

たとえば、現在進行中の案件では、希望価格での売却が見えてきていますが、次の条件が重要で、この条件が揃えば希望の価格で売れますと伝えています。

  • 今期残り2ヶ月の業績達成
  • 来期も同程度の売上を維持
  • 店舗の定期借家契約の再契約(契約期間の延長)

店舗の定期借家契約が再契約できなければ、さらに「撤退費用」も見積もられ、結果、価値が大きく目減りしてしまうのです。また来期の売上が弱含みで推移しても価格は下がりますとも伝えています。

このようにできるだけ丁寧に細かく伝えるようにしています。こういう会話を売主様としっかりすることが大切になります。

■「数字」だけでは分からない本当の価値

こうした情報は、決算書には表れてきません。
たとえば、店舗の利益はPLに出ていても、契約条件や撤退リスクを加味すると、BSやPLに反映されないリスク要素が価値に大きく影響するのです。そのため、私は売主様にいつも丁寧に細かくお伝えしています。

インターネットには「1分で株価を査定」するサイトもありますが、情報量が少なすぎて正確性はありません。あくまで集客目的のものであり、本気で売却を考える方にとっては参考になりません。当社ではそのようなことはいたしません。

question
会社売却2.0

〜心構えと交渉のポイント〜
あなたの会社は、世界に一つだけの大切な存在です。だからこそ「できるだけ高く売りたい」と思うのは当然のこと。私たちもその気持ちに共感し、全力でサポートします。

■「高く売ること」は悪ではありません

高い価格で買ったからといって、買い手が社員を大切にしなくなるわけではありませんし、安く買ったから社員を大切にするという保証もありません。
買い手が社員を大切にするかどうかは「会社の価値観」次第です。

むしろ、高い金額で買うということは「この会社には大きなシナジーがある」と見込んでいる証拠。
その分、買い手が成功する可能性も高いのです。ですから、自信を持ってご希望の売却価格を主張してください。


■「高値売却」を実現するために

もちろん、世の中には「相場」というものがあります。私たちはその理論もふまえながら、できるだけ高値での売却を目指しています。理論はしっかり理解して頂きたいです。

当社は「売り手専属アドバイザー」として、買い手からは一切費用をもらいません。
だからこそ、多くの仲介会社とも連携しながら、数多くの買い手候補へアプローチすることができます。

この「多方面アプローチ」により、たくさんの買い手候補を見つけるというモデルが最適解とし、より高値での成約を目指せる仕組みを整えています。


志を持って取り組むことが、好条件のカギ

私たちは、時間がかかっても「高値売却」を狙って動きます。
そのためにも、売り手であるオーナー社長には「高く売りたい」という思いをぜひ明確に伝えていただきたいのです。

それが交渉を有利に進める第一歩になります。

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